2011-03-10

遅刻

今日電車7分遅れ。

いつもギリギリの電車の私は完全に遅刻。

昨日も4分遅れやったから、なんとなく今日も遅れる気がしてたんだ。

昨日4分遅れの電車、尾張一宮から名古屋までの間、座席の上で見た夢。

近未来、マットなステンレス製の筒状の壁面に囲まれた空港で、青年とすれ違う。
私と同じ鞄を彼は持っていた。
エンジ色したエナメルのボストンバック。

「トレースできたの?」
私は聞く。
彼はうなずく。

やむおえない事情で犯罪を犯した彼は、私の中身を完璧にコピーして、どこかに逃亡するのだ。

「気をつけて」
私は軽く手をあげた。
知り合いだとばれてはいけなかった。

彼は表情変えず、何もゆわなかったが、私を見つめる澄んだ瞳は感謝の意に溢れていた。

背を向けて搭乗口にむかう彼の背中を見ていた。
遠くなるエナメル鞄のエンジは、思っていたより赤いことに気付いた。

二度と彼に会うことないであろう。
知りえない彼の歩む道、私の半身に思いを馳せた。