2011-02-09

指ささないで

3メートルくらい離れたところに、男性がいて、私を人差し指でさして何かゆっている。


段々声が大きくなり、しまいには、さしている腕を上下させ振り回しながらわめきだした。


何をゆっているかわからなかったが、男性が私だということを、私は知っていた。

男性も私が自分であるということを知っていた。

体の中にある管が成長し伸びていき、勝手に肥大化した。
踏んでもちぎれそうにない管で、私と彼はつながっている。

けれど今は、3メートルと離れて、指をさされなきゃいけない。


男性の視神経を通した私は、無表情だが口を少し尖らせていた。