部屋には古い本が床に山積みされている。
私が通っていた小学校の図書室みたいな空気感。
図書室は伊八さんが寄付して建ててくださったので、イハチ館と呼ばれていた。
年季入った窓ガラスを通す日差しは細かく屈折し柔らかくなり、日にさらされ徐々に焼けた紙と変色した絨毯の香が、微かだけど部屋の全て片隅忘れることなく充満している。
メンバーは大人になってからの旧知の仲、男女合わせて私以外に4人程。
席では知ってるようふるまっていたが、起きて思い出すと、全員顔に見覚えなかった。
さて、始めましょう!
ピアノ!
ラララララララララララ、ラ、ラ、ラ! ぴぱぴぺぱぴ、パッぱパー
その音楽なると同時に目覚め、今2月6日12時22分、この時間も頭に流れ続けてるから歌えるよ。
旋律は今日の夜にはきっと忘れてしまう。伝える手段なく。
私は楽譜書けない。
とても綺麗な音だったのです。
私が目を覚ました瞬間、そのコンマしかこちらに存在してない音楽。
私とイハチ館喫茶室メンバーしか聴いてない音楽。
イントロしか聴いてない!
続きはー?